牧野由多可先生が亡くなられて早くも2年が過ぎようとしている。
<牧野由多可先生を支援する会> 改め <牧野由多可の会 > では、先生の作品を一人でも多くの方に演奏・研究していただきたいとの思いから、『牧野由多可作品集II』を刊行するに至った。
前回、『牧野由多可作品集』刊行の際の選曲の考え方を再掲する。
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ポピュラリティーのある民謡の曲や、演奏者の人口の多い箏や尺八・三味線の曲に関してはなるべくそれぞれの奏法譜(縦譜)として出版したい。 |
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編成の大きさや楽器の特殊性から演奏される機会は少ないけれども先生の作曲活動の中で重要と思われる作品を選ぶ。 |
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洋楽邦楽両方の作品を書いておられるので洋楽器と邦楽器との合奏作品も選曲していきたい。 |
今回もそれに準じて選曲した。
まず2・3項に関して、先生が特に力を入れておられた声楽作品を4曲選曲した。そして二十絃箏やピアノの入った編成の曲も取り上げた。
また1項とも関係するが、奏法譜(箏譜や尺八譜)で出版はされているが、スコアで勉強したいという方も多い「花舞」や「茉莉花」なども選曲した。楽曲全体を通してみるにはスコアが最適であるので、今一度見ていただけると新しい発見があるかもしれない。
次に楽譜自体についての注意事項であるが、これも再掲する。
牧野先生の元譜自体は、音符もきちんと線上あるいは間に書かれ、棒も小さい三角定規を使ってまっすぐに引かれている。ただし鉛筆書きであり、20〜30年前の楽譜は薄くなっているものも多い。またコピーも青焼きであったり、原譜を委嘱者に渡されてしまって先生の手元にコピーすらない曲もある。
今回先生の元にある全楽譜をデジタル処理した際に、譜面上のゴミやキズか、音楽記号か判りにくい部分は修正したが、なにぶん膨大な数であるので、紛らわしくないところはそのままにした箇所もある。
また薄くなっている部分や読みにくい箇所は、なぞったり加筆したりして判りやすくしてもらった。それでも古い楽譜の中には読みにくい箇所もあるかもしれないことはお断りしておきたい。
先生は本位記号ナチュラル ? を と書かれているので、嬰記号シャープ♯と混同されないようこの点も注意されたい。
今回はそれに付け加えて、
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楽典上、音の長さが合わない箇所が何カ所もある。
たとえば二分音符一個分の長さは でなければならないが であったり、 と書かれていることも多い。それらはもちろん 正しくは なり なのであるが、先生の筆の勢いをそぎたくなかったのでそのままにしておいた。
ただし変拍子などで、例えば7/8拍子で8分音符一個分足りないという箇所については正しく修正しておいた。見落としがあったら、お許しいただきたい。 |
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楽器の調絃については提示してある曲とそうでない曲がある。
また十三絃の箏であるのに12しか音がなかったり、十七絃箏なのに16しかなかったりする曲もある。それらの調絃に関しては奏者の自由にお任せする。
尺八についても inD とあれば普通1尺8寸管を、inE は1尺6寸管を指定されている訳であるが、前後の旋律のつながり上、あるいは尺八の持ち替えの可否等によって、必ずしも指定通りでなくても構わないと思われる曲もある。これも奏者に一任する次第である。 |
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『蛙よ』の三絃パートの重音で演奏不可能な音符がある。楽譜上で☆印をつけてあるが、それらの音符は牧野先生の了解を得て、箏のパートが演奏した。 |
この作品集IIは、前回と同じくそのままでも、あるいは1曲だけコピーして使っていただいても結構である。ただしコンサート等で使用される際は著作権協会 JASRAC に申請いただくようお願いする。
今年2007年より牧野由多可賞作曲コンクールが開催されることになった。作品集もIII、IVとシリーズ刊行され、またコンクールの入賞作品も出版できればとてもありがたいことである。
今後出版してほしい作品等の要望があればご連絡いただきたい。また作品リストにもれている曲、委嘱者、初演者等についてもご連絡いただければ幸いである。
最後に、この作品集が刊行されるにあたっては多くの方々にお世話になった。まずお礼を言わなければならないのは、これらの作品が生まれるきっかけになった、作品を委嘱された方々に対してである。多大の時間と努力とそして経費をかけて、委嘱また初演していただいた方々のお力がなければ、当然これらの名曲は世に出なかった。ここに改めて厚く謝意を表したい。
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