富士松鶴千代プロフィール
 

新しい新内の世界めざして

富士松鶴千代 

今年の夏は、ひときわ猛暑でございました。美しい四季の国であります日本の国が、このまま熱帯の南国に変わってしまうのかと心配したほどなのに、いつのまにか淋雨を重ね、涼秋を迎えています。
時のたつのは早いもので、三越での私のリサイタルも64回を数えることになりました。ひとえに、お客さま皆さまのおかげと感謝申し上げます。
毎回公演ごとに、いろいろな企画を立てまして、皆さまにお目にかかっておりますが、本年もいくつか趣向を考えました。
昼・夜共通の最初の「風の盆」は東京のおわら連中の出演で、いつも評判がよく、何年も続けさせていただいておりますので、皆さま、もうご存知のことと思います。東京連の八尾のおわらを、どうぞお楽しみください。
昼の部の源氏物語「夕顔」は戌井市郎先生に作詞をお願いしまして、昨年上演いたしました。これを今年の7月にCDに録音しましたときに、少し手直しをしていただきまして発売しましたのが好評で、こんどは八王子車人形の西川古柳さんに出演していただき、これをもう一度舞台で上演いたします。箏は生田流宮城会の深海さとみさんです。
「明烏夢泡雪」の立方は赤坂の西川八千代姐さんです。情のこもった新内ぶりは姐さんならではのものです。90歳には見えない若々しい芸を堪能してください。夜の部の「弥次喜多」にも出ていただきます。こちらは車人形との二人ずれですがこの兼ね合いはいかがなりますでしょうか。

夜の部のみの「蘭蝶」は新しいCDに入れたものです。古典が現代に甦えるところを、お聴きいただければ嬉しゅうございます。
昼・夜共通の最後の番組に平家物語を演奏します。新内の平家物語「一谷嫩軍記」より「敦盛最後」のところをお届けいたします。新内なのですが特別に琵琶の伴奏の部分をつくりました。日本音楽集団の琵琶奏者田原順子さんと車人形のとりあわせで、新感覚の新内が誕生するかも知れません。
最後になりましたが、本日ご来場いただきました皆さま、ご出演賜りました諸先生がたに、深く感謝申し上げます。
鶴千代は、これからも、新しい新内の世界めざして、頑張って参ります。
今後ともご贔屓のほど、よろしくお願い申し上げます。

2002年11月4日(月)「新内富士松鶴千代の世界」三越劇場公演のプログラムより

 

 


 

このページをはじめに開いた方は、ここをクリックしてください。